更新日:2026年10月4日

40代IT転職で提示年収に差が出る理由

私のPM転職では、同じ経歴でも会社によって提示年収が異なり、ベースの額で百万円以上の差が出たことがありました。一人の活動内の比較で、業界相場ではありません。役割や募集背景との関係は私の推測も含むため、金額だけでなく、給与の内訳と働く条件をそろえて比較します。

年収を下げる覚悟の話は年収を下げる覚悟は必要だったかに書きました。
ここでは、その提示額がなぜ会社ごとに差が出たのか、に絞って振り返ります。

同じ経歴でも提示額が違った

当たり前ですが、自分の経歴は受ける会社が変わっても同じです。同じ職務経歴書を出し、同じような話を面接でしている。それなのに、出てくる提示はばらばらでした。

最初に提示を3社並べたとき、一番低い会社と一番高い会社で百万円以上の差がありました。同じ経歴、同じ面接の準備で、なぜこんなに違うのか。最初は「自分の評価が定まっていないのかな」と不安になりました。でも、何社か並べて見るうちに、差の原因はこちらより相手側にあると分かってきました。提示額は、自分の価値そのものというより、相手の事情との掛け算でした。

数十万円から百万円以上の差

私の提示条件では、ベースの額だけで百万円以上違うこともありました。具体的な提示額と全社分の比較表は公開していません。また、額面の差から手取りの差をそのまま計算することはできません。

この幅を知らないまま最初の提示で決めていたら、損をしていたと思います。複数社を並行して進めていたから、相場感がつかめました。一社だけ受けて「こんなものか」と判断するのは危ない、と感じました。並行で動く意味は、応募の話とも重なります(応募数を増やして分かったこと)。

企業規模による違い

私が応募した範囲では、企業規模の異なる会社で提示条件にも違いがありました。以下は限られた応募先の印象で、規模だけで給与水準を予測できるという調査結果ではありません。

  • 大手・準大手:給与テーブルがあり、年齢や等級で枠が決まる
  • 中堅:枠はあるが、ポジションによって動かせる余地がある
  • スタートアップ寄り:裁量が大きく、強気にも慎重にも振れる

大手は安定している代わりに、テーブルの上限を超えた提示はまず出ませんでした。交渉しても、枠の中での話です。中堅や成長中の会社は、必要としているポジションだと枠を超えてくることもありました。ある大手系の会社に交渉を試みたとき、「等級の上限があるので」と丁寧に断られました。規模が大きいほど高い、という単純な話ではありませんでした。

業界による違い

応募先の業界が違うと提示条件にも違いがありましたが、その原因を業界の人手不足だけに絞ることはできませんでした。以下は私の見解で、業界別の平均年収を比較したものではありません。

同じPMでも、どの業界のシステムに関わってきたかで見られ方が違います。相手の業界に近い経験があると、提示も伸びやすかったです。ある会社では「この業界のPMはなかなかいないので、こちらで出せる最大を提示しました」と言われたことがありました。「業種×経験」で評価される構造は転職の現実に書いた通りで、これは年収にも直結していました。

求人の緊急度

募集を急いでいるように感じる会社もあり、採用の緊急度が提示に関係する可能性を考えました。ただし、企業が金額を決めた根拠を確認したわけではなく、急募なら高い年収になるとは限りません。

同じ自分が同じ話をしても、相手の切迫度で金額が変わる。これは自分の実力とは関係のない部分です。エージェントに「この求人は欠員補充で急いでいます」と教えてもらった案件は、確かに提示が高めでした。タイミングよく、人を強く求めている会社に当たれば、提示は伸びました。縁とタイミングの要素も、正直あったと思います。

PM経験の評価のされ方

私が良い提示を受けた会社には、PMとしての経験と募集する仕事が合うと感じた会社がありました。ただし、年齢やほかの条件を切り分けて、経験だけの効果を測れたわけではありません。

逆に、PMをそこまで重く見ていない会社では、経験があっても提示は普通でした。同じPM経験でも、相手が必要としているかどうかで価値が変わる。評価された経験の中身は想像以上に評価された経験に書きましたが、評価する会社では金額にも反映されました。

伝え方と提示額の関係を振り返る

私は、経験を応募先の課題に結びつけて説明できた会社で、良い提示を受けたと感じました。会社ごとの条件も違うため、話し方によって提示額が変わったという因果関係までは確認できません。

逆に、経験を並べただけで終わった面接は、提示も普通でした。同じ経歴でも、相手にとっての価値に翻訳できたかどうかで差が出ました。ある面接で「うちが今一番困っているのは〇〇です」と相手が話してくれたとき、「それは自分がやってきたことと近いです」と具体的につないだら、後日の提示が明らかに高かった。相手の言葉を受けて返せたことが効いた気がします。面接でどう見られていたかは一次面接で見られていたことに書いた通りで、ここが年収にも効いていたと思います。

市場価値は一つではないと感じた

提示の幅を見て、強く思ったのは「自分の市場価値は一つの数字ではない」ということでした。ある会社では低く、別の会社では高い。どちらも同じ自分です。価値は固定された値段ではなく、相手によって変わる相対的なものでした。

なので、一社の低い提示で「自分はこの程度か」と落ち込む必要はありませんでした。それは、その会社との噛み合わせがよくなかっただけです。市場価値をどう捉えたかは市場価値をどう判断したかに詳しく書きました。

まとめ

私のPM転職では、同じ経歴でも会社によって提示年収が異なり、ベースの額で百万円以上の差が出たことがありました。一人の活動内の比較で、業界相場ではありません。

  • 企業規模で給与テーブルの固さが違う
  • 業界の人材需給で水準が変わる
  • 求人の緊急度で引き上げが起きる
  • PM経験を必要としているかで評価が変わる
  • 面接で相手の課題に結びつけられたかで動く

提示額は、自分の価値だけで決まっていませんでした。相手の事情とタイミング、そして伝え方の掛け算です。だからこそ、一社だけで判断せず、複数の提示を並べて見るのが現実的でした。低い提示が来ても、それが自分の全てではないと思えるようになりました。

年収を下げる覚悟は年収を下げる覚悟は必要だったか、年収の実際は年収はどう変わったかにまとめています。

本記事は筆者の実体験をもとに書いています。転職エージェントや採用担当者の公式見解ではありません。